父、市野信水、広島竹原の名匠、今井政之氏に師事し、1988年に独立。現在の大雅窯(現・大雅 工房)を築いた。「伝統を継承しながらも、自分にしかできない作品を常に追求してきた」雅彦さん。
平安の時代より800年、絶やすことなく伝統を支えてきた60もの窯元の中でも、安易に人と迎合しない生き方の鮮烈さでも、ひときわ異彩を放つ有名人である。


修業時代を経て生まれ育った今田町に戻り、29年。陶芸家である信水窯の初代市野信水の次男である市野雅彦さん。生まれた時から生活の一部として登り窯の丹波焼きと共に暮らし、陶芸家の道へと進むのは自然の流れだったと言える。1995年第13回日本陶芸展で、当時最年少でグランプリを受賞した。海の貝をモチーフにしたその作品「開」や「線紋器」は日本のみならず海外でも高い評価を得て、その後の受賞歴は枚挙にいとまがない。

生きとし生ける物、植物が大好きだった少年がそれらをモチーフとして作品に投影する。どうしてこれを作りたいのか、という自分に問いかける強い思いが大事だと語る雅彦さん。時代を超えて世界的に評価される作品。そこには世界各地で歌い継がれる音楽のように一見して人の目には見えない奥深い人生の背景があり、そうした作品は人の心を動かす力が必ず宿るという。
作家としての一時代を築いた雅彦さんは、現在、後進の陶芸家を育成指導する立場となり、モノづくりで大切なことは何かを伝えている。

雅彦さんのアトリエは、自らユンボで山を切り開いて道や庭を造り、陶芸で使用する土や古木を用いて創作したこだわりの和空間。陶芸作品だけでなく、住空間までもが彼の作品なのだ。「人間がほっとできる場というのは、自然そのものではなく、どこか人の手が加わっているもの」と語るのは、自然の中に居を構え暮らす彼の肉声でもある。


現在54才、彼の創作意欲はますます広がりを見せている。 国内外から賞賛の声が絶えない彼が目指すもの。それは、作り過ぎない八分目の作品。本当に魅力のあるものは、実は完成度が高い物ではないと茶目っ気に語る表現も独特だ。
作品の中に、使う人の想いや時代が入り込めるような「隙間」を与えるという、達人のみが行き着く境地なのかも知れない。

2015年9月5日から2016年4月まで、兵庫陶芸美術館の特別展で彼の作品を見る事が出来る。見る者がなぜか、ハッ!とするような雅彦さんの作品は、彼がこよなく愛してやまない今田町で、これからも生み出されていく。


昭和36年生まれ

〒669-2135
兵庫県篠山市今田町下小野原837
079-597-3339
http://taiga-gama.wix.com/konda


市野雅彦 ー奇跡、丹波にてー
【期間】2015年9月5日(土)〜2016年2月14日(日)
【場所】兵庫陶芸美術館
【時間】10月31日までは10:00〜19:00、11月1日からは10:00〜18:00
【休館日】月曜日
【美術館URL】http://www.mcart.jp/27/exhibition/27chomei/ichino_masahiko.htm




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